問 題
鉄筋コンクリート構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 直接土に接する壁において、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、4cm以上としなければならない。
- プレキャスト化された鉄筋コンクリート部材により、工期を短縮することができる。
- 鉄筋コンクリート用棒鋼のSDの記号は、丸鋼を示す。
- 梁(はり)のあばら筋は、せん断力に対して抵抗する。
- 柱の帯筋の径は、6mm以上とする。
正解 (3)
解 説
(1)は正しいです。鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さとは、コンクリート表面から鉄筋の表面までの距離をいいます。
直接土に接するか接さないかで、かぶり厚さ(鉄筋とコンクリート表面との距離)の数値は次のように変わってきます。これは頻出なので、重要事項としてぜひ覚えておくことをお勧めします。
- 直接土に接する壁、柱、梁、床 :かぶり厚さ4cm以上
- 直接土に接しない耐力壁、柱、梁:かぶり厚さ3cm以上
- 直接土に接しない非耐力壁、床 :かぶり厚さ2cm以上
(2)も正しいです。プレキャスト化とは、部材などをあらかじめ工場などで製作しておくことをいいます。これにより、現場で行う作業が減るため、工期短縮や品質の安定化が期待できます。
(3)が誤りです。日本産業規格(JIS)で、鉄筋コンクリート用棒鋼には「SD」や「SR」などの記号が用いられます。これらの記号の意味は次の通りです。
- SD:Steel Deformed barの略で、異形棒鋼であることを示します。
- SR:Steel Round barの略で、丸鋼であることを示します。
よって、(3)に書かれている「SDの記号は、丸鋼」という記述は誤りです。
(4)は正しいです。梁のあばら筋や柱の帯筋などがどのような力に抵抗するかは、以下の通りです。今回は梁のあばら筋が問題になっていますが、ほかのものが出題されることもあるので、併せて確認しておいてください。
- 柱の主筋 :曲げモーメントに抵抗する
- 柱の帯筋 :せん断力に抵抗する
- 梁の主筋 :曲げモーメントに抵抗する
- 梁のあばら筋:せん断力に抵抗する
(5)も正しいですが、これはマイナーな知識といえるので、気にしなくてもいいと思います。
以上から、正解は(3)となります。
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