ビル管理士試験 2024年 問91 問題と解説

 問 題     

日射・日照に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 太陽から放射される可視光線、紫外線、近赤外線のうち、紫外線の波長が最も長い。
  2. 遮熱性塗料や遮熱性舗装の特徴は、近赤外線の反射率が大きいことである。
  3. 天空日射とは、太陽光が大気中で散乱して、地上に降りそそいだものである。
  4. アルベドとは、任意の面に入射した日射量に対し、その面が反射した日射量の割合をいう。
  5. 太陽定数とは、大気圏外において太陽に正対するときの単位面積当たりに入射する放射エネルギーのことをいう。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。代表的な電磁波を波長が長い方から順に並べると、以下のように表すことができます。

  • ↑ 長波長
  • 電波
  • 赤外線
  • 可視光線
  • 紫外線
  • 電離放射線(X線、γ線など)
  • ↓ 短波長

ちなみに、問題文では赤外線ではなく近赤外線となっていますが、上記の赤外線のうち、可視光線に近い側を近赤外線、遠い側(電波に近い側)を遠赤外線といいます。

つまり、可視光線、紫外線、近赤外線の中では「紫外線」ではなく、「近赤外線」の波長が最も長いといえます。

(2)は正しいです。前提知識として、赤外線にはものを温める効果(放射熱)があることは押さえておいてください。その上で、遮熱性塗料や遮熱性舗装は、可視光線を通しつつも近赤外線を反射することで、熱の蓄積を抑える効果があります。

(3)も正しいですが、ややマイナーな知識なので気にしなくてもいいと思います。大気や雲で散乱した太陽光が地上に降りそそいだものを「天空日射」と呼びます。

(4)と(5)はいずれも正しいですが、(3)以上にマイナーなので、これらはスルーして構わないです。

以上から、正解は(1)となります。

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