ビル管理士試験 2024年 問88 問題と解説

 問 題     

昼光照明と窓に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 直射日光による水平面照度は、地表での直射日光による法線面照度にcos h(h:太陽高度)を乗じたものである。
  2. 間接昼光率は、室内反射率の影響を受ける。
  3. 昼光率は、窓ガラスの透過率の影響を受ける。
  4. 同じ面積であれば、側窓より天窓の方が多く昼光を採り入れられる。
  5. グローバル照度は、直射日光照度と天空光照度の合計である。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。結論からいえば、「cos h」が誤りで、正しくは「sin h」となります。

地表における直射日光による法線面照度は、下図の斜辺で表されます(例として80,000[lx])。また、太陽高度hは下図の例では60°です。このとき、直角三角形の縦の辺x[lx]が水平面照度となります。よって、水平面照度は法線面照度にsin h(h:太陽高度)を乗じたものといえます。

(2)は正しいです。昼光率とは、ある点における照度の、直射日光を除いた全天空照度の割合のことです。直接昼光率は窓から入る直接光が問題となり、間接昼光率は室内で反射した光が問題となります(ただし、直接光というのは決して直射日光のことではないので注意してください)。

(3)も正しいです。昼光率は(2)の解説の通りなので、窓から入る光の量は昼光率に大きく影響します。よって、昼光率は窓ガラスの透過率の影響を受けるといえます。

(4)も正しいです。同じ面積であれば、側窓より天窓のほうが多く昼光を採り入れることができます。

そのため、部屋を明るくする目的であれば、天窓を選ぶほうが有利ということになります。とはいえ、窓を開閉したり掃除したりする維持管理の面を考慮すると、天窓よりも側窓のほうが大きく有利であるため、使用実態としては側窓を採用する場合が多いです。

(5)も正しいです。グローバル照度は全天照度とも言い、直射日光照度と天空光照度の合計で表されます。

以上から、正解は(1)となります。

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