問 題
床衝撃音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 軽量床衝撃音の対策として、床仕上げ材を柔らかくすることが効果的である。
- 重量床衝撃音は、主に低周波数域の成分を含む。
- 床衝撃音に関する遮音等級のLr値は、値が小さい方が、遮音性能が高いことを表す。
- 床衝撃音に対しては、一般に学校よりもホテルの方が高い遮音性能が求められる。
- 重量床衝撃音の対策は、床躯体(くたい)構造の質量の低減が基本である。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。カーペットや畳を想像するとわかりやすいと思いますが、柔らかい床仕上げ材は軽量床衝撃音を軽減するのが得意です。一方、重量床衝撃音を抑えるためには鉄筋コンクリート構造にするなど、躯体を頑丈にする必要があります。
(2)も正しいです。重いものと軽いものを床に落としたときの音を想像するとわかりやすいと思いますが、重いものほど低い音を出し、それは周波数でいうと低周波になります。逆に軽いものは高い音が鳴り、周波数でいうと高周波数となります。
(3)も正しいです。Lr値(床衝撃音レベルに関する遮音等級)は、床を通過して室下に伝わる衝撃音の大きさを示す指標で、数値が小さいほど遮音性能が高いことを意味します。
(4)も正しいです。ホテルは利用客が夜に眠る場所でもあるため、高い遮音性能が求められます。一方で、学校は主に日中しか活動しませんし、基本的には人が眠る場所ではないため、遮音性能はそこまで重視されません。
(5)が誤りです。(1)の解説の通り、重量床衝撃音を抑えるためには鉄筋コンクリート構造にするなど、躯体を頑丈にする必要があります。
(5)の記載にあるように床躯体構造の質量を減らしてしまうと、床が薄く(軽く)なって、むしろ重量床衝撃音は伝わりやすくなってしまいます。よって、これでは逆効果です。
よって、正解は(5)となります。
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