ビル管理士試験 2024年 問73 問題と解説

 問 題     

空気浄化装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 空気浄化装置が除去対象とする空気中の汚染物質は、粉じんと有害ガスである。
  2. パネル型エアフィルタは、外気用又は高性能なフィルタに対するプレフィルタとして用いられる。
  3. 電気集じん器は、高圧電界による荷電及び吸引・吸着によって粉じんを捕集・除去する。
  4. 自動巻取り型エアフィルタのろ材には、合成繊維不織布などが使用されている。
  5. HEPAフィルタは、有害ガスを化学吸着で捕集するための専用のフィルタである。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。空気浄化装置の目的は、主に空気中の粉じんと有害ガスを除去することです。

(2)も正しいです。パネル型エアフィルタは、比較的粗い粒子を捕集するために使用されます。そのため、高性能フィルタ(HEPAやULPAなど)を保護するためのプレフィルタや外気用として広く使われます。

(3)も正しいです。電気集じん器は、高圧電界により粉じんを荷電し、吸引・吸着することによって捕集・除去するものです。

(4)も正しいですが、ややマイナーなので気にしないでいいかもしれません。自動巻取り型エアフィルタは、ろ材が定期的に新しい部分に巻き取られる構造で、ろ材には合成繊維不織布が一般的に使用されます。

(5)が誤りです。HEPAフィルタは「High Efficiency Particulate Air Filter」の略で、Efficiencyは効率、Particulateは微粒子という意味です。これは、定格風量で粒径0.3µmの粒子を99.97%以上捕集することができます。

よって、有毒ガスを化学吸着しているわけではなく、物理的にろ過しています。(5)の記述はろ過式の「HEPAフィルタ」ではなく、ガスフィルタの一種である「吸着剤フィルタ」の説明になっています。

以上から、正解は(5)となります。

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