ビル管理士試験 2024年 問63 問題と解説

 問 題     

湿り空気線図上の状態変化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 湿り空気を加熱すると、相対湿度は低下する。
  2. 湿り空気を減湿すると、水蒸気分圧は低下する。
  3. 湿り空気を冷却すると、比容積は小さくなる。
  4. 湿り空気を加湿すると、露点温度は低下する。
  5. 湿り空気を冷却すると、比エンタルピーは低下する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)は正しいです。加熱によって空気中の水蒸気量は変化しませんが、飽和水蒸気量が増加するため、相対湿度が低下します。

(2)も正しいです。減湿によって空気中の水蒸気量が減少するため、水蒸気分圧も低下します。

(3)も正しいです。比容積は、乾き空気の質量あたりの湿り空気の容積を指すパラメータです。冷却により空気が収縮したとき、その質量は保存されるため、比容積(=乾き空気の質量あたりの湿り空気の容積)は小さくなります。

(4)は誤りです。露点温度は空気が飽和するときの温度であり、水蒸気量が増えるとその温度も高くなります。(4)では加湿によって空気中の水蒸気量が増えるため、露点温度は上昇することになります。

(5)は正しいです。比エンタルピーは、乾き空気の質量あたりの熱量を指すパラメータです。冷却によって空気の温度が下がるため、比エンタルピー(=単位質量あたりの熱量)は低下します。

以上から、正解は(4)となります。

コメント