ビル管理士試験 2024年 問57 問題と解説

 問 題     

室内における二酸化炭素に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築物衛生法における二酸化炭素の管理基準値は、換気量の指標として定められた値である。
  2. 東京都の立入検査結果から見ると、建築物衛生法施行当時の二酸化炭素濃度の不適率は10~20%台であった。
  3. 二酸化炭素の発生源は、ヒトの活動(呼吸)や燃焼器具である。
  4. 二酸化炭素濃度の上昇には、在室者数が設計時の条件を上回るような過密使用状態が関係する。
  5. 二酸化炭素濃度の低減対策として、空調機のエアフィルタが挙げられる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。換気が十分に行えていれば二酸化炭素濃度は外気と同じ400ppmとなり、換気が不十分だと1000ppmを超えることがあります。換気量と二酸化炭素濃度の相関がはっきりしているため、二酸化炭素濃度は換気量の指標となります。

(2)も正しいですが、建築物衛生法施行当時の状況よりも、今の状況を知っておいたほうがよいと思います。建築物衛生法施行当時の不適率は10~20%台でしたが、近年は30%前後で推移していて、不適率が漸増傾向にあります。

二酸化炭素の含有率が高めになる理由は、建築物の気密性が高くなっていて自然換気が期待できないことや、事務所内の人口密度が高いために呼吸によるCO2濃度上昇などが考えられます。

(3)と(4)はいずれも正しいです。二酸化炭素の発生源は、ヒトの活動(呼吸)や燃焼器具(ストーブなど)です。そのため、在室者数が多すぎると二酸化炭素濃度が上昇します。

(5)が誤りです。エアフィルタは粒子を除去することはできますが、気体である二酸化炭素を除去することはできません。(1)にもあるように、二酸化炭素濃度を低減したいなら換気が有効です。

以上から、正解は(5)となります。

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