ビル管理士試験 2024年 問44 問題と解説

 問 題     

クリプトスポリジウム症に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. クリプトスポリジウム症の病原体は原虫である。
  2. クリプトスポリジウム症は、人獣共通感染症である。
  3. 地表水を水道の原水としている場合は汚染のリスクが高い。
  4. クリプトスポリジウム症の発症の潜伏期間は3~10日である。
  5. 水道におけるクリプトスポリジウムの不活化には、一般にオゾンが用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。クリプトスポリジウム症の病原体は「原虫」です。余談ですが、この試験で原虫が原因となる疾患といえば、クリプトスポリジウム症とマラリアの2つを覚えておけば充分だと思います。近年の出題傾向を見ても、これら2つしか出題されていません。

(2)も正しいです。クリプトスポリジウムはヒト以外にも哺乳動物の消化管で増殖し、ヒトや哺乳動物の糞便が感染源となる人獣共通感染症です。

(3)も正しいです。(2)の通りヒトや哺乳動物の糞便が感染源となるため、地下水に比べて地表水のほうが汚染リスクが高いです。

(4)も正しいです。クリプトスポリジウム症の潜伏期間は3~10日程度であり、比較的長期間潜伏することも珍しくありません。

(5)が誤りです。クリプトスポリジウムは塩素消毒ではあまり効果がなく、不活化できません。そのため、実際にはろ過処理または紫外線照射をするのが一般的です。また、オゾンを照射するのも有効です。

(5)には「一般にオゾンが用いられる」と書かれていますが、オゾンは有効ではあるものの、一般的とは言えないため、この記述は誤りであると判断することができます。

よって、正解は(5)となります。

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