問 題
建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の測定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 測定位置は、居室の中央部の床上50cm以上175cm以下である。
- 気流の測定には、0.5m毎秒以上の気流を測定することができる風速計を使用する。
- 階数が多い場合は、各階ごとに測定しなくても良い。
- ホルムアルデヒドの測定は、毎年、6月1日から9月30日までの期間内に実施する。
- 二酸化炭素の含有率は、1日の使用時間中の平均値とする。
解 説
(1)と(3)はいずれも誤りです。
空気環境の測定は、通常の使用時間中に、各階ごとに、居室の中央部の床上75cm以上150cm以下の位置において行います。高さについては、座っている人や立っている人の口元の位置を目安にしているからです。また、階数が多い場合でも各階ごとの測定が必要となります。
(2)も誤りです。気流の測定では、「0.2m毎秒」以上の気流を測定することのできる風速計を使用しなければなりません。そもそも、空気環境の気流の基準値は「0.5m毎秒以下」です。そのため、(2)のように0.5m毎秒以上しか測れないものは不適当です。
(4)も誤りです。結論からいえば、「毎年」という部分が間違っています。
ホルムアルデヒドの測定時期は「新築・増築、大規模の修繕、大規模の模様替えを完了し、当該建築物の使用を開始した時点から直近の6月1日から9月30日までの間に1回、実施すること。」と定められています。
というのも、ホルムアルデヒドは新築や改築したてのときが一番濃度が高く、あとは徐々に抜けていくので毎年測定する必要がないからです。
また、期間が夏(6月~9月)に限定されているのは、夏場のほうが気温が高く、ホルムアルデヒドが気化しやすいからです。ホルムアルデヒド濃度が高い時期に測定をして問題がなければ、年中大丈夫、という考え方です。
(5)は正しいです。温度・湿度・気流の3項目は、全ての測定回で常に基準値を満たさなければいけません。一方、浮遊粉じん・一酸化炭素・二酸化炭素の3項目については、各回の平均値が基準値を満たしていれば問題ありません。
以上から、正解は(5)となります。
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