問 題
ネズミの生態や防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 建築物内のIPMによるネズミ防除は、餌を断つこと、殺鼠(さっそ)剤を適切に使用すること、通路を遮断すること、の3点を基本として進める。
- 建築物における維持管理マニュアルでは、生きているネズミが確認されないことをもって「許容水準に該当する」としている。
- ネズミが活動した際に残す証跡のうち、糞(ふん)、尿、毛、足跡、かじり跡をラブサインと呼ぶ。
- 家住性ネズミの警戒心は、クマネズミが最も強く、次いでドブネズミで、ハツカネズミは最も弱い。
- 生け捕りかごなどのトラップを用いたドブネズミの駆除を行う場合、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の規制を受ける。
正解 (4)
解 説
(1)は誤りです。IPMとは、ネズミ・害虫管理の考え方(理念)です。この中でネズミ防除の方針として、餌を断つこと、巣を作らせないこと、通路を遮断すること、の3点を基本としています。
(2)も誤りです。生息調査の結果、生きているネズミそのものを確認しなくても、ネズミが活動した際に残す証跡があった場合には、「許容水準に該当する」という評価にはなりません。ちなみに、生息調査の結果として判定される水準には、以下の3つがあります。
- 許容水準:良好な状態で、このまま維持したい
- 警戒水準:現状で大した問題はないが、放っておくと問題が生じるかもしれない
- 措置水準:状況は悪く、すぐに防除作業が必要
(3)も誤りですが、頻出頻度は低いです。ネズミが活動した際に残す証跡のうち、糞(ふん)、尿、毛、足跡、かじり跡をラットサインと呼びます。ラットサインの中でも、ネズミのこすり跡のことを特にラブサインと呼んでいます。
(4)が正しい記述です。クマネズミは警戒心が強く、毒餌やトラップによる防除が困難です。一方で、ハツカネズミは、好奇心が旺盛でトラップにかかりやすいです。ドブネズミはその中間に位置します。
(5)は誤りです。仮にこの記述が正しいのであれば、家やビルに出現したドブネズミは保護対象なので勝手には駆除できない…ということになってしまいます。実際にはそんなことはなく、ねずみは「鳥獣の保護」の対象外です。
以上から、正解は(4)となります。
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