ビル管理士試験 2023年 問78 問題と解説

 問 題     

環境要素の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. グローブ温度は、室内気流速度が小さくなるに伴い、平均放射温度に近づく傾向にある。
  2. 超音波風速計は、超音波の強度と気流との関係を利用している。
  3. 電気抵抗式湿度計は、感湿部の電気抵抗が吸湿や脱湿により変化することを利用している。
  4. バイメタル式温度計は、2種類の金属の膨張率の差を利用している。
  5. アスマン通風乾湿計の乾球温度は、一般に湿球温度より高い値を示す。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。グローブ温度計は、熱放射の測定に用いられるもので、気流の影響を受けます。室内気流速度が小さくなるにつれ、平均放射温度に近づく傾向にあります。また、グローブ温度計は反応が鈍く、示度が安定するまでに15~20分間ほど掛かります。

(2)が誤りです。超音波風速計は、測定器の発信器側から発した超音波を受信器側で受け、それに掛かった時間から風速を求めることができます。つまり、超音波風速計は、超音波の「到着時間」と気流との関係を利用しています。

(3)は正しいです。記述の通り、電気抵抗式湿度計は、感湿部の電気抵抗が吸湿や脱湿によって変化することを利用しています。

(4)も正しいです。バイメタル式温度計は、膨張率(線膨張係数)が異なる2種類の薄い金属板を貼り合わせ、周囲の温度による金属の伸縮差を利用してその温度を測定します。

(5)も正しいです。アスマン通風乾湿計では、湿球温度計のほうは水で濡らした布が巻かれています。そして、水が蒸発する際に気化熱が奪われるので、湿球温度計の周囲の温度は乾球温度計の周囲の温度よりも低くなります。

以上から、正解は(2)となります。

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