問 題
同出力の蒸気圧縮冷凍機と比較した場合の吸収式冷凍機の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 冷凍機内は真空であり、圧力による破裂のおそれがない。
- 回転部分が少なく、騒音・振動が小さい。
- 特別な運転資格を必要としない。
- 消費電力量が少ない。
- 排熱回収に適さない。
正解 (5)
解 説
本問では、蒸気圧縮冷凍機と吸収式冷凍機の比較が出題テーマとなっています。それぞれの機器に馴染みがない場合は、この設問に取りかかる前に、蒸気圧縮冷凍機についてはH30年 問63の解説を、吸収式冷凍機についてはH28年 問68の解説を参照して、イメージをつかんでください。
(1)は正しいです。吸収式冷凍機は真空ですが、蒸気圧縮冷凍機は蒸気を圧縮するので高圧となっています。
(2)も正しいです。蒸気圧縮冷凍機は圧縮機や電動機など大型機の回転により騒音・振動が生じますが、吸収式冷凍機は冷媒ポンプや溶液ポンプがあるくらいなので、比較的回転部分が少なく、騒音・振動も小さいです。
(3)も正しいです。蒸気圧縮冷凍機は、その過程で高圧ガスが生じるため、冷凍機械責任者の資格が必要となります(資格の名称は覚えなくて大丈夫です)。一方、吸収式冷凍機では、このような特別な資格が必要ありません。
(4)も正しいです。(2)の解説とも関連しますが、蒸気圧縮冷凍機は圧縮機や電動機など大型の機械が必要なので、消費電力量が多くなります。それに比べると、吸収式冷凍機の消費電力量は少ないです。
(5)が誤りです。吸収式冷凍機の大きな特徴の一つに、排熱回収に適するという点が挙げられます。吸収器と再生器の間にある熱交換器を使って効率的に排熱を回収することができるので、(5)の記述が誤っていると判断できます。
以上から、正解は(5)です。
コメント