ビル管理士試験 2023年 問42 問題と解説

 問 題     

水系感染症の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 梅雨から夏に集中する。
  2. 初発患者の発生から数日で爆発的に増加する。
  3. 職業と関連する場合は少ない。
  4. 給水範囲に一致して発生し、その境界線が明確である。
  5. 一般に潜伏期間が長い。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。水系感染症は、水が腐敗しやすい梅雨期~夏季に多いのは事実ですが、それに限定されません。ノロウイルスなどは、冬に起こる感染症の代表例です(空気感染が多いですが、水系感染症でもあります)。

(2)は正しいです。汚染した水を同時に摂取して感染するため、患者数は同時期に一気に増えます。時間が経つと水が希釈されたり自浄作用が働いたりするので、最初の爆発的な感染以降は、患者数がそう増えるものではありません。

(3)も正しいです。汚染された水に触れたり飲んだりした人に広く感染するので、年齢層や職業はあまり関係ありません。

(4)も正しいです。水系感染症は、複数の患者が行動した共通点を調査すれば、汚染源がはっきりする場合が多いです。つまり、患者の発生と給水範囲にははっきりと関連が見られます。

(5)も正しいです。水系感染症の各病原体によって潜伏期間は異なりますが、数日~数週間程度であることが多いです。多くの感染症の潜伏期間は数日以内であるので、水系感染症の潜伏期間は長いといえます。

以上から、正解は(1)です。

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