ビル管理士試験 2022年 問153 問題と解説

 問 題     

木質系床材の特徴と維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 水分により膨潤と収縮を繰り返し、割れや隙間を生じやすい。
  2. アルカリ性洗剤の使用は、床材を変色させやすい。
  3. ならやけやき等の広葉樹は、木質が硬い。
  4. ポリウレタン樹脂でシールされた体育館の床材は、水拭きによる日常清掃により管理する。
  5. シールされていない床材は、油性の保護剤で管理する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

床材が出題されるときには、繊維床材、硬性床材、弾性床材がテーマになることが多く、今回のように木質系床材に特化した出題は珍しいです。そのため、馴染みがなく覚えるのが大変そうだと感じるのであれば、あまりこだわらずに捨て問題としてしまっても構わないと思います。

ただし、(1)だけは頻出事項といえるので、最低でもこの内容だけは押さえておくべきです。

(1)は正しいです。記述の通り、木質系床材は水分に弱いです。木材は湿気や水分を吸湿して腐ることをイメージすると、わかりやすいと思います。

(2)も正しいです。木質系床材はアルカリによって黒色に変色しやすいです。よって、木質系床材にアルカリ性洗剤を用いることはできません。

(3)も正しいです。広葉樹は木質が硬く、針葉樹は木質が軟らかいという特徴があります。これらは、どちらが良い/悪いではなく、用途によって使い分けられます。

(4)が誤りです。(1)の通り木質系床材は水分に弱いため、シールされていない木質系床材の場合には水を使用する清掃は行えません。一方、(4)のようにポリウレタン樹脂でシールされている木質系床材なら、水性ポリッシュなどを使用することができます。

ただし、そうは言ってもシールの経年劣化なども考えられるので、日常清掃で毎日水拭きをするような清掃の仕方は望ましく有りません。水を使った清掃は最低限にとどめるべきです。

(5)は正しいです。(4)の解説と重なりますが、シールされていない床材は水を使うことができないため、油性の保護剤で管理します。

以上から、正解は(4)です。

コメント