問 題
水道水の塩素消毒に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- CT値とは、塩素濃度と接触時間の積である。
- 反応速度は、温度が高くなるほど速くなる。
- 消毒効果は、懸濁物質の種類、大きさ、濃度、微生物の種類等によって、低下の程度が変わる。
- 刺激臭を有するため、異臭味が生じる。
- アルカリ側で消毒効果が高まる。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。CT値のCは「concentration(濃度)」で、Tは「time(時間)」です。濃度というのは塩素濃度を、時間というのは接触時間を意味し、これらの積がCT値となります。
(2)も正しいです。化学反応は普通、温度が高いほうが反応速度は速くなります。塩素消毒の場合でも、水温が高いほど反応速度も速いです。
(3)も正しいです。水道水に含まれる懸濁物質の種類、大きさ、濃度、微生物の種類などによって、消毒の効果は変わってきます。たとえば残留有機物量が多いような水だと、塩素と有機物が反応して塩素を消費してしまうので、消毒効果が大きく低下します。
(4)も正しいです。夏場のぬるい水道水などでは塩素の臭い・味を感じることがあるかもしれませんが、これは水道水に塩素が含まれているためです。
(5)が誤りです。塩素自体は酸性のものなので、アルカリ性側だと中和反応が起こってしまい、消毒効果が急激に落ちてしまいます。よって、(5)にある「アルカリ側で消毒効果が高まる」というのは事実とは真逆です。
以上から、正解は(5)となります。
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