問 題
空気の流動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 円形ダクトの圧力損失は、ダクト直径に反比例する。
- ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、風速の2乗に比例する。
- 合流、分岐のないダクト中を流れる気流の速度は、断面積に比例する。
- 開口部を通過する風量は、開口部前後の圧力差の平方根に比例する。
- レイノルズ数は、慣性力の粘性力に対する比を表す無次元数である。
正解 (3)
解 説
(1)と(2)で、円形ダクトと直線ダクトの圧力損失は、それぞれ次の通りです。
- 円形ダクトの圧力損失:形状抵抗係数に比例・ダクト長さに比例・風速の2乗に比例・ダクト直径に反比例
- 直線ダクトの圧力損失:形状抵抗係数に比例・ダクト長さに比例・風速の2乗に比例
ここでは2つを分けて示しましたが、その性質は共通なので「ダクトの圧力損失」としてまとめて覚えても大丈夫です。直線ダクトに直径はありませんが、直線ダクトの場合は直径が問われることもないので気にする必要はありません。
よって、(1)も(2)も正しいです。
(3)で、ダクト中を流れる気流の速度は、断面積に反比例します。
時間あたりに入ってくる気流の量が一定の場合、ダクトの断面積が小さいとそれだけ急いで空気を送り出す必要があるので、気流の速度は上がります。逆に、ダクトの断面積が大きいならスペースに余裕があるので、気流はゆっくりとダクト内を進むことになり、速度は下がります。
よって、(3)の「比例」が誤りで、正しくは「反比例」となります。
(4)で、開口部の通過流量は、開口部の面積と流量係数に比例し、圧力差の平方根に比例します。よって、(4)は正しいです。
(5)で、レイノルズ数とは(5)の説明文の通り、慣性力の粘性力に対する比(=慣性力/粘性力)を表す無次元数です。
レイノルズ数が4000を上回ると、慣性力の影響が大きく出て管内流が乱流となります。一方、レイノルズ数が2000を下回ると、粘性力の影響が大きく出て管内流が層流となります。2000~4000の間だと、どちらとも言えない流れ方になります。
よって、(5)は正しいです。
以上から、正解は(3)となります。
コメント