ビル管理士試験 2022年 問31 問題と解説

 問 題     

二酸化炭素に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 大気中の濃度は、一般に0.04~0.05%である。
  2. 学校保健安全法の学校環境衛生基準では、教室の二酸化炭素濃度は0.5%以下と定められている。
  3. 安静時の人の呼気中には4%程度含まれている。
  4. 室内の濃度が3~4%になると頭痛、めまいや血圧上昇を起こす。
  5. 室内の濃度が7~10%になると数分間で意識不明となる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

この問題の正解は(2)ですが、学校保健安全法の学校環境衛生基準を問う出題は珍しいです。一方、他の選択肢はどれも頻出事項なので、この問題は消去法で正解できれば十分だと思います。

(1)で、大気中の二酸化炭素濃度は400ppm(0.04%)ほどです。換気が充分でない室内で人が多いとき、この濃度が2倍にも3倍にもなることがあります。よって、(1)は正しいです。

(2)に関して、建築物衛生法で定められた二酸化炭素の基準値は、1000ppm(0.1%)以下です。これは重要事項として覚えておくべき数値です。一方、ここで出題されている学校保健安全法の学校環境衛生基準では、1500ppm(0.15%)以下と定められています。よって、(2)の「0.5%以下」が誤りで、正しくは「0.15%以下」となります。

(3)で、人の吐く息には二酸化炭素が4%くらい含まれています。空気中の濃度が0.04%程度なので、ちょうど100倍と覚えると記憶しやすいかもしれません。よって、(3)は正しいです。

(4)と(5)に関して、二酸化炭素濃度と、その健康影響との関係を以下にまとめます。

  • 0.5%  :6時間曝露で人体影響なし
  • 1~2%  :不快感を覚える
  • 3~4%  :頭痛や血圧上昇などの症状が出る
  • 6%   :呼吸困難を起こす
  • 7~10%:数分間で意識不明となり、死亡することもある

よって、(4)も(5)も正しいです。

以上から、正解は(2)となります。

コメント

  1. 匿名 より:

    >これを知らない場合でも、選択肢に書かれた「0.5%以下」では建築物衛生法の基準の5倍もあって差が大きすぎる…と考えると、誤りだと推測することができます。

    とのことですが、同年の問19の(2)は事務所衛生基準規則に基づき二酸化炭素5000ppm以下の基準が適用され適切な回答とされていますので、この解説はちょっと微妙な感じがします。
    その推測で問題を解いていたら問19は間違えてしまいますので・・・。

    • (管理人) より:

      そうですね、当該部分を削除しました。
      ご指摘ありがとうございます!

  2. 匿名 より:

    2023年の問題35(3)は鉛直振動ではないでしょうか?

    • (管理人) より:

      過去の出題文を確認したところ、直近の2021年 問34では「垂直振動」としている一方、H25年 問33やそれ以前の類題では「鉛直振動」となっています。
      今後も表記ゆれの可能性があるため、解説では併記することにしました。
      ご意見ありがとうございます!