ビル管理士試験 2021年 問175 問題と解説

 問 題     

衛生害虫と健康被害に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. イエバエは、消化器感染症の病原体を運ぶことが知られている。
  2. 微小なダニや昆虫類の死骸の破片は、喘(ぜん)息の原因の一つである。
  3. ハチ毒中には、アミン類以外に、アレルギー反応を起こす酵素類が含まれている。
  4. ヒアリが各地の港湾地区で発見されており、皮膚炎の被害が懸念されている。
  5. トコジラミは、高齢者の入院患者が多い病院での吸血被害が問題となっている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(5)に関して、トコジラミによる吸血被害が報告されているのは、主にホテル、旅館、簡易宿泊所などです。

というのも、トコジラミは夜行性なので夜間のみ吸血します。そのため、ホテルなどのベッドや布団で眠っているときに吸血される被害が多く報告されています。ちなみに、トコジラミのトコ(床)という名称はこれに由来します。

また、(5)の説明文はヒゼンダニの特徴に近いです。ヒゼンダニはヒトの皮下に内部寄生し、疥癬の原因となります。ヒゼンダニによる被害は、高齢者福祉施設や病院などで起こりやすいです。

ただし、ヒゼンダニは吸血はしないので、(5)の「吸血被害」という部分はヒゼンダニにも当てはまりません。

以上から、正解は(5)です。

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