ビル管理士試験 2021年 問95 問題と解説

 問 題     

建築物の荷重又は構造力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 地震力を計算する場合、住宅の居室の積載荷重は、事務室よりも小さく設定されている。
  2. 曲げモーメントは、部材のある点において部材を湾曲させようとする応力である。
  3. 片持ち梁(ばり)の先端に集中荷重の作用する梁(はり)のせん断力は、梁の固定端部で最も大きい。
  4. ラーメン構造の部材に生じる応力には、曲げモーメント、せん断力、軸方向力がある。
  5. 建築物に作用する土圧は、常時荷重として分類されている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(3)に関して、片持ち梁(片持支持梁)というのは、下図左側のように1本の支点から横向きに梁が出ているような構造で、梁の片側のみで支えています。ちなみに、下図右側のように両側の支点で梁を支えている構造を、単純梁といいます。

これらの梁に荷重をかけたときのせん断力は次のようになります。荷重のかけ方は様々なパターンがありますが、ここでは過去の出題傾向を踏まえて抜粋して紹介します。

  1. 片持ち梁の先端に集中荷重をかける:せん断力はどの箇所でも一定となります。
  2. 片持ち梁に等分布荷重をかける:せん断力は梁の支持部で最も大きくなり、支持部からの距離が離れるほど小さくなっていき、先端では0となります。
  3. 単純梁に等分布荷重をかける:せん断力は梁の支持部で最も大きくなり、支持部から離れていくほど小さくなっていき、中央で最も小さくなります。

本問では上記1.が該当するので、せん断力はどの箇所でも一定となります。よって、(3)の記述が誤りなので、正解は(3)です。

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