ビル管理士試験 2021年 問74 問題と解説

 問 題     

ダクトとその付属品に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. フレキシブル継手は、ダクトと吹出し口を接続する際に、位置を調整するために用いられる。
  2. 防火ダンパの羽根及びケーシングは、一般に板厚が1.5mm以上の鋼板で製作される。
  3. グリル型吹出し口は、誘引効果が高いので、均一度の高い温度分布が得やすい。
  4. 低圧の亜鉛鉄板製長方形ダクトでは、一般に板厚が0.5~1.2mmのものが用いられる。
  5. グラスウールダクトは、消音効果が期待できる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

本問はやや難易度の高い問題ですが、どの選択肢もたびたび出題される文章なので、知識として押さえておきたいところです。

(3)に関して、空気調和設備の吹出口には、ふく流吹出口、軸流吹出口、線状吹出口、面状吹出口の4種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • ふく流吹出口は、他の吹出口に比べて誘引効果が高く、均一度の高い温度分布が得られます。
  • 軸流吹出口は、誘引比と拡散角度が小さく、一定方向に対して到達距離が長いのが特徴です。
  • 線状吹出口は、ふく流吹出口と同様に誘引比が大きく、均一な温度分布を得やすいです。
  • 面状吹出口は、天井板に細孔をあけた有孔天井を用い、天井全面から微風速で吹き出す方式が一般的です。

それぞれの吹出口をさらに細分すると、以下のような種類に分けることができます。これを覚えておくだけで正解できる問題がたびたび出題されているので(今回は違いますが…)、以下の一覧はなるべく暗記しておきたいところです。

【ふく流吹出口】

  • アネモスタット型(アネモ型)
  • パン型

【軸流吹出口】

  • ノズル型
  • グリル型

【線状吹出口】

  • ライン型(線状型)

【面状吹出口】

  • 天井パネル型
  • 多孔パネル型

以上を踏まえて(3)を見ると、「グリル型吹出し口は、誘引効果が高いので、均一度の高い温度分布が得やすい。」とあります。

グリル型は軸流吹出口ですが、誘引効果が高くて均一度の高い温度分布が得やすいのはふく流吹出口なので、この組み合わせはおかしいです。

よって、この記述は不適当なので、正解は(3)となります。

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