ビル管理士試験 2021年 問23 問題と解説

 問 題     

温熱環境指数に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 黒球温度は、熱放射と対流に関わる温度の測定に用いられる。
  2. 湿球黒球温度(WBGT)は、屋内外における暑熱作業時の暑熱ストレスを評価するために使用されている。
  3. 有効温度は、湿度100%で無風の部屋の気温に等価な環境として表す主観的経験指数である。
  4. 標準新有効温度は、気温、湿度、風速、熱放射、着衣量、代謝量の6要素を含んだ温熱環境の指標である。
  5. 不快指数は、気温に関係なく用いられる指標である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。黒球温度(Tg)はグローブ温度ともいい、銅製の黒球の中心温を測定したもののことです。(1)の記述の通り、黒球温度は、熱放射と対流に関わる温度の測定に用いられます。

(2)も正しいです。湿球黒球温度(WBGT)は、屋内外での暑熱作業時の暑熱ストレスの評価に用いられる指標で、湿球温度・黒球温度・乾球温度から求められます。

(3)も正しいです。有効温度は、湿度100%で無風の部屋の気温に等価な環境として表す主観的経験指数で、気温・湿度・風速の3要素を使って求められます。

(4)も正しいです。様々な温熱環境指数の中でも、新有効温度と標準新有効温度の2つは、6要素(気温・湿度・風速・熱放射・着衣量・代謝量)を用いる指標となります。

(5)で、不快指数(DI)は、気温と湿球温度、または、気温と相対湿度から算出されます。よって、2つのパターンのどちらを使っても気温のパラメータは必要となるので、(5)の記述が誤りであると判断できます。

よって、正解は(5)となります。

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