問 題
近年の建築物管理の変化要因とその対処方策との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 高齢・要援護者需要増 ユニバーサル化
- 危機・BCP 自家発電の導入
- 節電・省エネルギー化 高効率機器の選択
- 降雨集中 排水・水防対策の強化
- 空調・換気のパーソナル化 空間環境の均一化
解 説
(1)で、ユニバーサルとは、「汎用的な」や「万人向けの」といった意味を持ちます。よって、高齢者や要援護者でも使いやすい・恩恵を受けやすいシステムにするためには、ユニバーサル化を意識することが重要です。よって、(1)は正しいです。
(2)で、BCPはBusiness Continuity Planningの頭文字をとったもので、事業継続計画と訳されます。災害などの異常事態が発生したときに、いかに事業を復旧・継続させるかをあらかじめ考え、対策しておくことを指す言葉です。
東日本大震災やコロナ禍などを経て、BCPの考え方が広く普及してきました。(2)の自家発電の導入についても、停電で送電線からの電力供給が途切れたときに自分のビルを守るためのBCP対策といえます。よって、(2)も正しいです。
(3)はわかりやすいと思います。高効率機器を選択すれば、結果的に節電や省エネルギー化につながるので、これも正しいです。
(4)も知識なしで判断できそうです。降雨集中によって水害を被るおそれがあるので、排水・水防対策を強化するのが有効です。よって、これも正しいです。
(5)で、パーソナルは「個人の」や「私的な」という意味があります。よって、空調・換気のパーソナル化というのは、空間環境を均一化することではなく、むしろ不均一化・個別化することです。
たとえば、サーバ室や電算室は強く冷やしておきたい、人が多い事務所はやや強く、人が少ないところは弱めに…というように、それぞれの部屋に応じた最適(快適)温度に合わせて設定できるのが、パーソナル化の強みです。
よって、(5)の組合せが不適当なので、正解は(5)となります。
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