ビル管理士試験 2020年 問43 問題と解説

 問 題     

感染症法に基づく感染症の類型のうち、1類、2類、3類全てに実施される措置として、最も不適当なものは次のどれか。

  1. 健康診断受診の勧告
  2. 就業制限
  3. 死体の移動制限
  4. 入院勧告
  5. 積極的疫学調査

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

感染症法に基づく主な措置は、厚生労働省が公開しているこちらの資料の2ページ目によくまとまっています。しかし、ここにある表の内容をしっかりと覚えている受験者は少ないと思うので、実際には選択肢を見比べて、最も重そうな措置を選ぶのが妥当な解き方になると思います。

まず、(5)の積極的疫学調査はどんな感染症でも行いたいところです。感染症であるからにはその広がり方に注意をしておく必要があるので、これは1類~5類のいずれの感染症でも実施することになっています。

続いて、(1)の健康診断受診の勧告や(2)の就業制限はある程度重い感染症に対して用いられる措置です。具体的には、1類~3類で実施され、4類や5類の感染症では対象外となります。

(3)の死体の移動制限はややわかりづらいかもしれませんが、これは、たとえば病院で感染症患者が亡くなったあと、その死体を家に連れて帰ることなく火葬場へ移動する…といった内容です。

感染者の死体を家に安置して、様々な人がお別れのために来訪するようでは、感染拡大を招くおそれがあるので、1類~3類感染症患者の死体に関しては、これを制限することができます。よって、これも(1)や(2)と同様、1類~3類で実施される措置となります。

残る(4)の入院勧告が、選択肢の中では最も重い措置となります。病院に入ることで、感染者自身はいつでも医療関係者のフォローを受けることができ、また、周囲に対しては感染拡大を抑制することになります。入院勧告が出されるのは、1類と2類が対象となり、3類は対象外です。

よって、正解は(4)となります。

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