ビル管理士試験 2020年 問22 問題と解説

 問 題     

体温調節機能に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

生体は、体内における産熱と放熱が平衡を保ち、一定の体温を維持している。産熱機能は、( ア )の増進などによって制御されている。放熱機能は、( イ )、( ウ )、皮下組織の熱遮断等によって調節されている。

  •    ア      イ      ウ
  1. 消化    呼吸   神経興奮
  2. 発汗    筋収縮  神経興奮
  3. 発汗    呼吸   内分泌
  4. 基礎代謝  尿産生  血液循環
  5. 基礎代謝  呼吸   血液循環

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

熱産生と熱放散の問題です。

( ア )のところは産熱機能なので、増進したときに身体を温める方向性のものを選べばよいです。

選択肢にある「消化」は食物を体内に吸収しやすい形に分解することなので、体温調節機能とは関係がありません。また、「発汗」は体内の熱を外に逃がして身体を冷ますための生理現象なので、産熱機能ではなく放熱機能となります。

一方、「基礎代謝」は摂取した食物を代謝することでエネルギーに変換することなので、熱を生んでいます。よって、( ア )には「基礎代謝」が入ります。

( イ )と( ウ )のところは放熱機能なので、増進したときに体温が下がる(身体が冷える)方向性のものを選べばよいです。

( イ )の「呼吸」に関しては、呼吸量が増加すれば呼気に含まれる熱が逃げるため、これは熱放散の一例です。熱を出して寝込んでいるときに呼吸が荒くなるのをイメージできるとわかりやすいかもしれません。よって、( イ )には「呼吸」が入ります。

ほかの選択肢にある「筋収縮」は寒いときに筋肉をふるわせて身体を温めるので、熱産生の一例です。また、腎臓で「尿産生」を行うのは体温調節とは関係がありません。

( ウ )について、選択肢にある「神経興奮」は体温が上昇する方向です。つまり、これは熱産生の一例といえます。また、「内分泌」はホルモンによって代謝を促進します。つまり、これも熱産生の方向に働きます。

一方、「血液循環」が増進すれば血管が拡張して血管の表面積が拡がるので、熱放散を促進します。よって、( ウ )には「血液循環」が入ります。

以上より、正解は(5)です。

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