国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問10解説

 問 題     

遺伝に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 多くの被子植物の受精では、花粉管から放出された二つの精細胞のうち、一つは卵細胞と合
体して受精卵となる。もう一つの精細胞は中央細胞と合体し、将来、核相が 3n の胚乳を作る。

㋑ ヒトのゲノムの塩基配列を他人と比較した場合、10 % ほどの個人差があり、この違いがヒ
トの形質の違いを生み出している。

㋒ ヒトの ABO 式血液型では、A 型を表す遺伝子を A、B 型を表す遺伝子を B、O 型を表す
遺伝子を O とすると、遺伝子 A と遺伝子 B は、遺伝子 O に対して優性である。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

記述 ㋐ は妥当な記述です。
重複受精についての記述です。中央細胞(2n) + 精細胞(n) = 3n です。

記述 ㋑ ですが
ヒトとチンパンジーの配列の違いが1%ぐらいじゃなかったっけ?とすれば、種の差よりも個人差が桁が違うレベルで配列異なるってことはないんじゃないかな・・・?といった推測で判断するといいのではないでしょうか。㋑ は誤りです。

記述 ㋒ は妥当な記述です。
ABO 式において、A,B は O に対し顕性です。(「顕性」「潜性」が推奨表現なので、そちらで記載します。)

以上より、正解は 3 です。

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